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各論 6.安心福祉

「自己責任」という美名のもとに、「競争だから、仕方ない、強い者が残るんだ」と何でも切り捨ててよいはずがありません。現代は、高齢化が進み、社会構造が大きく変化して、誰でも福祉サービスを必要とする時代になっています。
さらに、少子高齢化が進む中で、若い世代が負担する財源で高齢者を支えきれなくなる一方、親の面倒をみたくても、核家族化や転勤などの条件によって難しくなってきています。
かつての選挙でもたびたび大きな争点になってきた年金問題ですが、今のままでは公的年金への信頼がますます失われ、雇用問題とともに、社会保障制度に対する不信感が社会不安を助長し、社会の安定性を失わせる可能性も否定できません。 医療についても、自民党・公明党政権は国民を不安に陥れました。小泉政権が「社会保障費の2200億円自動削減」を毎年行った結果、多くの医療機関が経営困難に陥りました。窓口負担の割合も2割から3割に上がり、個人負担も重くなっています。 介護報酬についても、2003年と06年にマイナス改定がなされ、民主党政権下で09年と12年にプラス改定したものの、安倍政権下で再びマイナス改定がなされました。現状でも介護職員の不足する中で、ますます職員確保が難しくなっています。

確かに、日本は、欧米諸国の何倍ものスピードで超高齢化・少子化社会を迎え、厳しい財政状況にあることは間違いありません。日本はOECD諸国内で高齢化率がトップでありながら、国民医療費の対GDP比は、2010年で16位(9.5%)と低位にあります。そして、現状では多くの病院は赤字経営に陥り、かろうじて日本の医療は、そこで働く医師や看護士、関係者の犠牲の上に成り立っているのが現状です。
かつて、厚生省は、「このまま日本の医療費が増え続ければ、2025年の医療費は141兆円になる」と1994年に予測しましたが、その後下方修正を繰り返し、2012年には54兆円としています。もちろん、これは、強引な国の削減方針の結果でもありますが、その落差の大きさを見れば自分たちの施策の推進に有利になるように、都合のいい数字を使ったことは明らかです。
こうして、医療関係予算の伸びを抑えたわけですが、その結果、医師や看護師ら関係者は疲弊し、都市においても、小児科医、産科医が不足する一方、地方においては、医師そのものが不足するという状況に陥ってしまったのです。2011年のOECD諸国における医師数(人口千人あたり)を見てみると、日本は2.2人となっており、これは加盟32カ国中28番目という少なさです。わたしたちは、一刻も早く、せめて、OECD諸国並みに医療費の対GDP比を上げ、医師および看護師を確保し、救急医療をも含む国民の医療を守っていかなければなりません。


2008年7月
大府市の長寿医療センターを視察
他にも、名古屋大学付属病院をはじめ
島根や新潟の病院も視察しました

もちろん、歯科医療(歯科医師、歯科技工士を含む)にも、課題は山積しており、これらにも取り組んでまいります。また障がいのある方、高齢の方に配慮した街づくりをする必要があります。誰もが年齢を重ねるのであり、事故などによって、いつ障がいをもつかもわかりません。弱い立場にある人たちが暮らしやすい街は、誰もが暮らしやすい街です。 私はかつて、電動車イスの乗車体験をしてみたのですが、通常なら切符を買ってホームまで1~2分しかかからないでしょうが、10数分、ひどい駅によっては、30分近くかかってしまいました。
さらに、駅員さんたちの手をおかりすることは、かなりの精神的プレッシャーを受けます。ヨーロッパやアメリカを旅行した多くの障がいのある方が現地で自由に気軽に移動できる喜びを話されます。
全く羨ましい限りであり、日本のまちづくりもぜひそうしたいと思うのです。それは景気向上にもつながるわけで、こうした公共事業は必要とされていると考えます。また、民主党は、マニフェストで介護事業サービスに従事する人たちの報酬を底上げしていくことを約束しました。せっかく資格を取り、介護の仕事に夢をもっても、その収入では生活していけないという現状では、働く当事者だけではなく、サービスを必要としている人にとっても、大きな問題です。産業構造を変えていくことは容易ではありませんが、かつての自公政権でも早くから「福祉はサービス産業」と位置づけ、建設業などからの移行を促しましたが、充分なバックアップ体制をとってきませんでした。民主党はサービス産業としての介護事業を支援するとともに、安心して暮らせる社会をつくることによって、日本の快適さを高めます。地方分権と規制緩和も安心福祉には重要な関係をもっています。
低成長の時代に限られた予算で行政を行っていくためには、住民の皆さんのより近いところで施策を決定し、その推移を見守っていかなくてはなりません。民主党は「地域主権」を標榜し、地域に権限と財源をもってもらい、本当に一人一人が安心できる社会をつくります。

(2015年10月記)