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第212回国会 衆議院 環境委員会 第3号 令和5年12月5日

○近藤(昭)委員
  立憲民主党の近藤昭一でございます。
 今日もまた質問の機会をいただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。
 今、山崎誠議員からもありましたが、岸田首相も参加をされて、間もなく伊藤大臣もCOP28に行かれるわけでありますけれども、これまでも見ていて、見ていてといいましょうか、それぞれのCOPの会議、今、山崎議員からも指摘がありましたように、私も二回ほど、三回でしょうかね、COPには陪席というか、行きました。残念ながら、私は、政府として、国際NGOもこの会議に参加しているわけですが、もっと議会として、衆議院あるいは参議院として代表団といいましょうか、しっかりとした、議会として参加をしていく、こういうことも重要ではないかと思っているんですが、なかなかそうした仕組みがまだないということでありまして、一人の政治家、議員として、自費で会議の傍聴に行ったことがありました。そして、残念ながら、そういうときに日本は化石大賞を何遍も受賞しているということであります。
 今年、GX束ね法案、GX関連法案が通過をしましたが、私どもの党はこれに反対をしたわけであります。それはなぜかというと、カーボンプライシングについても先送りである、様々な基金があるが、残念ながら、経済的な、経済成長の観点がまだまだ強い中で、基金といいましょうか、投資が進められていくような仕組みであると思わざるを得ない仕組みであったわけであります。
 ということで、かつて、日本も環境立国と言われた時代があったと思いますが、残念ながら、現在は決してそうではないと思っています。そういう意味では、伊藤大臣には環境をしっかりと守っていくという立場で頑張っていただきたい、このエールだけまず送らせていただきたいと思います。
 それでは、限られた時間でありますので、質問に入りたいと思います。
 私の方からは、建築物、工作物のアスベスト調査と子供のアスベスト吸入についてということであります。
 二〇二〇年のアスベスト関連規則改正で、今年十月一日からでありますが、規制強化が施行されました。建築物の改築や解体に際して、規制強化であります。事前の建築物石綿含有建材調査者等による調査がここで義務づけられたわけであります。つまり、資格を持った人による調査ということであります。
 建築物のアスベスト調査が労働安全衛生法で石綿障害予防規則において義務づけられたのは二〇〇五年七月であります。これまでアスベストの調査に資格要件はなかったということ。そうすると、これは誰が調査してもよかったということなのかということであります。そして、誰も、つまり、講習も受けていない素人といいましょうか、そういう人が調査をしても構わないということであったのか、こういう状況であったのかということをまず確認したいと思います。

○土居政府参考人
 石綿を含有する建材の有無に関します事前調査につきましては、今お話がありましたように、二〇〇五年に労働安全衛生法の石綿障害予防規則におきまして、建築物の解体又は改修を行う事業者にその実施が義務づけられたところでございます。
 また、大気汚染防止法においても、二〇一三年の改正によりまして、解体や改修の工事を受注する者、また自ら施工する者に対しまして、石綿を含有する建材の使用の有無につきまして工事前に分析等の調査をすることが義務づけられたところでございます。
 このように、法令に基づきました事業者等の調査が義務づけられておりまして、調査を行う者につきましては、環境省では、石綿に関する一定の知見を有し、的確な判断ができる者の事前調査が行われるよう、その段階では周知をしてきたというところでございます。

○近藤(昭)委員
 ただ、今回規制が強化されたわけでありますが、この間は、私も新聞の報道で事例を見たことがあるんですが、堺市の事例なんかもあると思うんですが、そういう中で、かなり見落としがあったのではないか。専門的な資格を持っていないということでそうした見落としがあり、それが結果的に被曝を生んできたのではないか、こういう認識をしているんですが、どうでしょうか。こういう見落としはどれぐらいあったのかというか、そういうような調査はあるんでしょうか。

○土居政府参考人
 見落としに関しましては正確な調査はないと認識しておりますが、答申等で、そのような実態があるということから今回の規制強化につながってきたものというふうに考えております。

○近藤(昭)委員
 私は、規制強化が進んだことは一定の前進だと思いますけれども、今おっしゃったように、そうした調査がないという中でかなりの見落としがあったのではないかと想像することと、そういう中で被曝をした人もいるんだろうと想像というか、推測するわけであります。
 そういう状況など、実は、二〇一七年十月段階、ちょっと資料が古いんですけれども、十月段階で、学校施設では計千九百二十二施設、二〇一八年十月段階で、児童関係施設、障害児関係施設の計一万三千二百十九施設、合わせて一万五千施設余りで、危険性が高い吹きつけアスベストやアスベストを含有する保温材、断熱材の調査が完了していないわけであります。
 そういう意味では、先ほど申しましたように、確かに規制は強化されてきたけれども、子供たちの安全性はまだこれからということである。規制は強化されているわけでありますが、こういう状況であるわけでありますから、子供たちの安全は担保されてはいないのではないかということであります。
 そして、規制は強化されたけれども、解体とかそういうときであって、今、使用中の施設に対して、こうしたところは調査がされていないわけでありまして、こうした中で、今後、アスベストの調査は誰が実質的に調査をしていくのか、有資格者による実施が義務づけられていくのか、ここをお伺いしたいと思います。

○黒瀬政府参考人
 お答え申し上げます。
 従前の調査におきましては、厚労省において、社会福祉施設等に対する調査として実施をしてきたものでございますが、有資格者による実施が義務づけられてはおらなかったというものと承知をいたしております。
 なお、今後、実態把握のための調査を行うに当たりましては、調査全体の取りまとめをしている厚労省とも調整をしつつ、また、アスベストに関する制度を所管する厚労省、環境省とも連携をしながら、その調査において有資格者の活用についても助言を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。

○近藤(昭)委員
 適切にということでありますけれども、本当に、先ほども実態の調査がない、しかし、現場のところで幾つかで発見をされて、それが報道されて、その箇所では調査が進んでいるというようなことがあるわけであります。そういう意味では、私は、しっかりとした仕組みを早急につくっていく必要があると思っています。
 それで、ちょっとお伺いをしたいんですが、国交省は、二〇一三年に建築物石綿含有建材調査者制度をつくって、七年間かかって、この間、特定調査者を千四百人育成した。そして、その後、三省、厚労省、環境省ですか、三省共管になって、いわゆる特定だけではなくて、一般、戸建て調査者ができた。そして、三年間で十六万人に増加をしたということであります。これを見ると、法的義務をかけていく、このことによって、やはり皆さんが講習を受けて、専門的な知識をより深めていくということであります。
 そういう意味で、私は、国交省は、きちんと建築基準法の中で有資格者によるアスベスト調査を義務づけるべきだったのではないかと思うわけであります。今更という感はあるわけでありますが、今後、義務づけることが必要だと考えるかどうか、改めてお聞きをしたいと思います。

○佐々木政府参考人
 お答え申し上げます。
 これまで私どもが調査をさせていただいた中で、一千平米以上の大規模な建築物で吹きつけアスベストが使用されているものについては、実態を調べてみますと、かなり限られたものになります。
 その一方で、戸建て住宅のような小規模建築物につきましては、更に一層、アスベストが使用されている率は低いものと思料されます。
 そうした中で一律にアスベスト調査を義務づけるということは、一般の御家庭も含めて過重な御負担を課すことになりかねないと考えております。
 今現在、建築基準法におきましては、定期調査報告制度を設けております。さらに、その上で、その調査に重ねて、それ以外の建築物も含めまして、所有者の自主的な調査、これを進めていただくために、十分の十の補助制度、国費での補助制度を用意して、この調査におきましては、先ほどの調査者制度の講習を受けた調査者を補助要件とさせていただいて、その実施に努めております。
 引き続き、こうした取組を通して、吹きつけアスベストの適切な調査及び対策を促進してまいりたいと考えております。

○近藤(昭)委員
 様々な制度を、この環境委員会でも、私もアスベストに関連して、いわゆる建物の解体ですか、そうしたところの現場での大気の調査も義務づけるべきだ、しっかりとやるべきだというような質問もさせていただくときに、そのことについては現実的に難しいとか、今お答えにあったのは、過重な負担をかける、決して多くはないという言い方をされたわけでありますが、ただ、残念ながら、先ほど申し上げたように、堺市なんかでも、そうした中で被曝を、暴露したというような事例もあるわけであります。私は、そういう意味でしっかりと対応すべきだと。
 特に私が懸念しておりますのは子供、学校のことで、もちろん、全てでありますが。ただ、アスベストの発症というのは時間に何乗かで比例していきますから、子供の頃に暴露していると、残念ながら、その時間の中で、将来発症することが確率としては高くなっていくわけであります。
 そういう意味では、まずは、子供が長時間滞在する施設について、有資格者のうち最も能力が高い、資格のハードルが高いとされる、基準が高いとされる特定建築物石綿含有建材調査者による網羅的なアスベスト調査が実施され、適切に管理されるべきではないかと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。

○森政府参考人
 お答えいたします。
 現在実施しております学校施設におけるアスベストを含有する保温材、断熱材の実態調査に当たり、調査の見落としを防ぐ観点から、保温材の調査につきましては、既にアスベストが含有していないことが判明しているものを除き、室内に露出しているもの全てを調査対象としております。
 また、煙突用断熱材の調査につきましては、目視での確認が難しいなど、専門性が必要なことから、特定建築物石綿含有建材調査者も含めた専門知識を有する者による調査を実施するように、各学校設置者に要請しているところでございます。
 今後につきましては、関係省庁とも連携いたしまして、有資格者の活用についても助言を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。

○近藤(昭)委員
 進めていくということでありますが、私は、これはしっかりと義務づけていくとかをやるべきだと思います。
 最後であります。
 厚労省は、病院のアスベスト調査で、きちんと調査していない病院名を公表、指導もしているわけであります。子供が長時間いる学校施設や社会福祉施設の児童関係施設、障害者関係施設でも同様の措置を取るべきではないか、これによって徹底をしていくべきではないかと考えますが、いかがでありましょうか。

○黒瀬政府参考人
 お答え申し上げます。
 アスベストの使用実態につきまして調査を行っているところでございますが、個別の施設名については公表を今は行っていないところでございます。
 こども家庭庁では、分析調査ですとかその後の措置が未実施となっている施設に指導監査を実施する自治体に対して個別にヒアリング等を行うなどによりまして、速やかな対応について指導をしてまいりたいと考えておりますが、施設名の公表につきましては、どういった対応が可能かにつきまして、その指導監督を行っている自治体とも相談をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。

○近藤(昭)委員
 質問時間が終わりましたので、最後に要請だけ。
 きちっと公表することによって、またそういうものが進んでいく。また、公表することによって、関係者といいましょうかね、学校に関わっている人たちがきちっとした意識を持つんだと思います。そういう意味では、私は、しっかりとやっていただくべきだ、このことを要請しまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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