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第211回国会 衆議院 環境委員会 第2号 令和5年3月10日

○近藤(昭)委員
 立憲民主党の近藤昭一でございます。
 本日も質問の時間をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
 また、まだまだ警戒が必要でありますが、コロナが一定の収束をしてきたということで、ルールに乗って、私もこの場ではマスクを外させていただきますが、よろしくお願いしたいと思います。
 さて、バイオマス燃料の持続可能性及びライフサイクル温室効果ガス排出量についてということであります。
 昨年の十二月の環境委員会において、FITバイオマス発電に関連して、ベトナムからの木質ペレットにおいて、森林認証、FSCの偽装があった件について政府見解をお尋ねをしたところであります。それに関して政府からもお答えがあったんですが、その後、ある雑誌がこれについて後追いの、後追いといいましょうか、取材をしているところであります。
 そこで、お尋ねをしたいわけでありますが、指摘をさせていただいた、偽装していたAVP社と相当量の取引をしている商社があるわけであります。そういうところはほかにも幾つかあるわけであります。さて、そうした認証はあるけれども、その認証に偽装があったということであります。そういうことに対して、実態はどのようにすれば把握ができるのか。認証があれば、それでちゃんと、きちっと持続可能な取組をしているんだということが、残念ながら分からないということであります。
 実態はどのようにすると把握できるのか、また、認証偽装に係る調査の進展はどうなったのか、お聞きをしたいと思います。

○井上政府参考人
 お答え申し上げます。
 委員御指摘のベトナムの木質ペレットの認証案件につきましてでございますけれども、経済産業省といたしましては、私がこの場で昨年御答弁させていただきましたとおり、この認証偽装の事案を踏まえまして、輸入バイオマス燃料の調達に係る実態を把握するため、輸入バイオマス燃料の使用を計画に含む認定事業者約二百者に対しまして、再エネ特措法に基づく報告徴収を実施しているところでございます。
 報告徴収におきましては、バイオマス燃料の調達先や調達経路を含めて報告を求めておりまして、例えば、商社から供給を受けている場合は、当該商社が行っている燃料調達の実態についても報告を受けることとなります。
 再エネ特措法上の報告徴収は、任意のヒアリングとは異なりまして、虚偽の報告があった場合には罰金や立入検査を行うものでございます。
 報告徴収の結果を精査した上で、必要な措置についてしっかりと検討してまいりたい、かように考えてございます。

○近藤(昭)委員
 その報告徴収のことであります。これは書面のやり取りではないかと思うわけでありますけれども、ちょっと確認をさせていただきたいわけでありますが、先ほど私が紹介をさせていただいた雑誌では具体的に名前も出ているんですが、三井物産は情報公開を適宜行っていると答えている、伊藤忠商事はヒアリングは受けていないと回答しているわけであります。
 これはどういうことなんでしょうか。ちゃんとやっているのかどうかということであります。

○井上政府参考人
 お答え申し上げます。
 委員御指摘の商社さんからも、我々は任意のヒアリングは行わせていただいております。ですが、私も雑誌を拝読しておりますが、なぜああいう回答になったかは私は存じ上げませんので、同社にお問い合わせいただければと思います。

○近藤(昭)委員
 今、きちっと認証、実質を確認をしなくてはいけないので、単なる聞き取りではなくて、罰則ですかね、厳しい聞き取りであるということをおっしゃったわけであります、最初の答えで。しかし、その後は任意の聞き取りとおっしゃった。任意と、前段の厳しいと言ったことは私の中では矛盾するんですけれども、いかがでありましょうか。

○井上政府参考人
 お答え申し上げます。  任意のヒアリングは、まずもって、報道等、あるいは当該認証団体が対外的に認証偽装について公表を行った直後から我々はヒアリングを行っています。これはあくまでも任意でございますが、一方で、再エネ特措法に基づいて、法律に基づく厳しい報告徴収をできる対象は法律で規定されておりまして、それはFIT認定を受けた人たちです。
 したがいまして、商社の方々は、大抵、認定事業者でありませんので、厳しい報告徴収の対象にはなりません。ただ、我々は、厳しい報告徴収に加えて、任意のヒアリングも行っているということでございます。

○近藤(昭)委員
 認定の事業者に対しては厳しいヒアリングを行っているということであります。
 ただ、非常に危惧をしますのが、その雑誌の中での言及でも、その後、認定する業者は採用されない、そこの認定は偽装があるということで使わない、しかし、一方で、取引をする商社は、違う認証を使ったりして、非常にたくさんの、きちっとした認証がされているかどうかというものが国内の事業者で輸入されて燃やされているのではないか、こういう指摘もあるんですね。
 そこで、ちょっとお伺いをしたいと思います。
 大切なことは、認証があっても、その認証が偽装がある。だから、今、認証業者はヒアリングをするけれども、輸入、取り扱っているところには任意だというようなお答えだったわけですが、そうすると、結果的にきちっとしたチェックができないのではないかというように思うわけであります。つまり、認証しているところが問題があるんだから、受け入れているところは、まあ、問題ないとは言っていらっしゃらないかもしれないけれども。
 それで、ちょっとお聞きしたいんですが、パーム油やPKS等においては第三者認証による持続可能性の確認を求めているわけであります。しかしながら、木質のバイオマス燃料についてはどのような持続可能性の確認を行っているのか。木質の合法性確認についても、平成十八年の合法性ガイドラインというのがありますが、ガイドラインではなくて、少なくとも、クリーンウッド法というのが作られてあったわけでありまして、クリーンウッド法、いわゆる法の下によってきちっと合法性を確認をするというべきではないかと思いますが、いかがでありましょうか。

○前田政府参考人
 お答え申し上げます。
 まず、持続可能性の確認に関するお尋ねがございました。
 FIT制度の事業計画策定ガイドラインにおきまして、輸入木質バイオマスに係ります認定申請に当たっては、持続可能性が証明された木材等を用いていることを証明することが必要とされておりまして、具体的には、林野庁が策定いたしました木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドラインに定める三つの方法、すなわち、森林認証制度及びCoC認証制度を活用した証明方法、森林、林業、木材産業関係団体の認定を得て事業者が行う証明方法、個別企業等の独自の取組による証明方法のいずれかにより確認をするということを求めているところでございます。
 次に、合法性確認に関する御質問がございました。
 現行の合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律、通称クリーンウッド法と呼んでおりますけれども、これにおきましては、木質ペレットやチップを含みます木材等の輸入事業者に対しまして合法性の確認に取り組むよう促しているというところでございますけれども、昨年十二月の委員会の場でもこのクリーンウッド法について検討しているというふうに申し上げましたが、その後、検討を進めまして、今国会に提出しておりますクリーンウッド法の改正案、これにおきまして、違法伐採対策の取組を強化するため、木材等の輸入事業者に対しこの確認というのを義務づけるということとしておりますことから、輸入に係ります木質バイオマスにつきましては、クリーンウッド法に基づき合法性の確認が行われることになるというふうに考えてございます。

○近藤(昭)委員
 是非、ガイドラインではなく、法律というものの下でしっかりとチェックをしていただきたいというふうに思います。
 また、ちょっと同時にお伺いをしたいんですけれども、FITで支援をしているということでありますから、木質バイオマスを。木質のバイオマスの燃料を買い取るときにも、やはりそうした持続可能性にきちっと資するものとそうでないものの買取り価格が違うわけでありまして、その買取り価格が違うということは、元がやはり国民の皆さんの税金で賄われているわけであります。
 そうした意味ではきちっとした、本来、持続可能性をおろそかにしているにもかかわらず、認証が偽装されているにもかかわらず、それを高く買い取っているようなことがあってはならないわけでありまして、そういう意味では厳しくチェックしていかなくてはいけないと思うんですが、パーム油やPKSを燃料とする場合、第三者認証が得られるまでの経過措置としてトレーサビリティーの確認と公開も求められているわけであります。そういう意味で、木質燃料についても、そうしたパーム油等と比べるとバランスを欠いているのではないかと思うわけであります。
 木質燃料の持続可能性についてのチェックについて改めてお伺いをしたいと思います。

○井上政府参考人
 委員御指摘のとおり、国民の皆様からいただいているFITを使って支援をしておりますので、しっかりとしたFITのお金の使われ方が確保されることが大変重要だと我々も肝に銘じて取り組んでおります。
 御指摘の燃料のトレーサビリティーにつきましては、パーム油につきましては、持続可能性の議論とは別に、申請に際して確認を求めてきております。一方で、輸入木質バイオマス燃料につきましては、持続可能性の確認における各確認方法の中でトレーサビリティーについても確認することができておりまして、この点について、パーム油と輸入木質バイオマス燃料に違いはございません。
 他方、先生御指摘の情報公開の観点でございますけれども、パーム油につきましては、持続可能性を担保する第三者認証スキームの名称や、発電所で使用した燃料の量などにつきまして、自分の会社のホームページで情報公開することを求めております。
 この点、輸入木質バイオマス燃料の持続可能性についての情報公開につきましては、今回の事案も踏まえますと、より厳しい措置が必要な可能性もあるのではないかと我々は考えておりまして、林野庁さんともよく連携をし、必要な対応の在り方を検討してまいりたい、かように考えてございます。

○近藤(昭)委員
 しっかりとそれはチェックをして、厳しい体制、確認をする体制をつくっていっていただきたいと思います。
 それでは、質問の時間も限られていますので、このバイオマス燃料の関係について大臣に。気候変動対策をしっかりとしていかなくちゃいけない、そういうものの、木質バイオマスの認証の問題等々、抜け道になってはいけない。また、木質バイオマスの燃料についてもいろいろと意見が、見方もあったりするわけです。ちょっと大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。

○西村(明)国務大臣
 気候変動対策の観点からは、バイオマス燃料につきましては、輸送を含むライフサイクル全体の温室効果ガス排出量ができるだけ少ないものになるようにすることが望ましいというふうに考えておりまして、今御議論いただいておりましたFIT制度につきましても、バイオマス発電の認定に当たりまして、今後、ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量を確認することが検討されているというふうに認識しております。
 環境省におきましては、二〇二一年の七月に、輸入バイオマスのライフサイクル全体の温室効果ガス排出量の算定等についてガイドラインを整理いたしました。そして、それを経済産業省の方に情報提供しているところでございます。こうした形で、更なる温室効果ガスの排出削減に貢献してまいりたいというふうに思っております。
 また、あわせて、環境省といたしましては、地域脱炭素の推進のための交付金などの支援措置も活用しつつ、エネルギー自給や持続可能な森林経営に資する地産地消型の木質バイオマスの活用を含めた地域脱炭素の取組、これを強力に推進したいというふうに考えております。

○近藤(昭)委員
 大臣、しっかりと御奮闘いただきたいと思います。
 木質バイオマス、森林については、成長する過程でCO2を吸収をしているということであるわけでありますが、伐採された森林を再植林をして、それが成長していく、改めてCO2を吸っていくには時間もかかるわけであります。ですから、木質バイオマスを全否定するわけではありませんが、非常に、時間的なことを考えると、そこには一つの時間的な課題ということがあると思うんです。気候変動危機というのは待ったなしでありますから、しっかりと環境省は御奮闘いただきたいと思います。
 さて、次に、原子力規制庁のガバナンス問題について、前回も御質問させていただきましたが、質問させていただきたいと思います。
 NPOの原子力資料情報室から原子力規制庁に対して、原子炉の運転期間延長に関する検討資料一切、二〇二二年四月から十一月末まで、原子力規制委員会及び原子力規制庁内での検討、関連省庁や被規制対象などの外部とのやり取りなどを開示請求がされたところであります。しかしながら、それには、事前に検討した経緯がないと口頭で連絡があったそうであります。
 そういう中で、実は、昨年十二月の二十一日、NPO側が、内部告発に基づき資料を公表したということでありました。
 そうすると、十二月の二十七日、年末、規制庁は経緯を説明、規制委が昨年十月五日にエネ庁から話を聞く以前である七月二十七日以降、早い段階であります、エネ庁と規制庁の職員が七回の面談を行っていたことを明らかにしたわけであります。そして、その際の議事メモは残していないが、資料は何が開示できるかを整理するとされたわけであります。  そして、年が明けて二月三日、規制庁は、庁内の打合せ資料を公表し、説明をしました。資料のほとんどが黒塗りであったわけであります。黒塗りであった理由について、意思形成過程であり、無用な混乱を招くことを理由に挙げられました。
 また、エネ庁から提供された資料については、作成者に開示判断を委ねるとした。エネ庁から来た資料であるから、規制庁に開示請求をされたけれども、開示判断はエネ庁に任せるとした。しかし、これは、急な、土壇場でそういうことを公表しています。つまり、エネ庁に聞いてくれということであります。
 さて、法案が閣議決定をされたわけであります、関連する法案が。そうすると、意思形成過程であるとの非開示理由は解消されたはずではないでしょうか。私は、そういう意味では、今すぐ黒塗り部分を公表すべきだと思いますが、いかがでありましょうか。

○山中政府特別補佐人
 お答えいたします。
 情報公開法第五条五項では、国の機関の内部又は相互間における検討に関する情報で、公にすることにより、率直な意見の交換が不当に損なわれたり、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがある場合には不開示情報に該当するとされております。
 今回事務方が作成した文書は、職員が幹部の了承を得る目的ではなく、議題を提供して幅広くアイデアを出し合う、いわゆるブレーンストーミングのために作成したものであると聞いております。
 このような資料まで開示いたしますと、職員間の忌憚のない意見交換を萎縮させる効果が生じさせてしまうことにも留意する必要があると判断をいたしました。
 また、事務方が作成した文書のうち不開示情報に該当する部分については、相当未成熟な内容であり、それがあたかも規制委員会の考えであるかのように誤解をされますと、国民の間に混乱を生じさせてしまうおそれがあるとも判断をいたしました。
 したがいまして、こうした不開示の理由が解消されるとは思っていません。

○近藤(昭)委員
 委員長、そういうお話は随分と記者会見でもお話しになっているわけでありますよね。しかしながら、取材をされて記者会見に参加した記者さんの間ではそれは何回も取り上げられていて、かなりそれに時間を要していると思います。
 今、形成過程で誤解を生じるとおっしゃいますけれども、黒塗りの方が、私は、誤解というか、見えないわけでありますから、いろいろな想像をするのではないかなと思いますし、今申し上げましたように、意思形成過程であったものが、最終的に法案を閣議決定して、決定が出ているわけであります。
 そして、委員長御自身もブレーンストーミングだと言っていて、ブレーンストーミングというのは、いろいろな意見を出し合って、その中でどうするかを決定するわけであります。まさしくいろいろな意見が出てきていて当然であって、それがなぜ意思形成過程で誤解を生むのかが私にはよく分からない。きちっと御説明いただけないでしょうか。

○山中政府特別補佐人
 繰り返しになりますけれども、今回の不開示情報につきましては、法案が閣議決定されたからといって、先ほどもお話をさせていただきましたけれども、職員間の忌憚のない意見交換、これを萎縮させるおそれや、未成熟な内容の部分、それがあたかも規制委員会の考えであるかのように誤解される、そのことにより国民の間に混乱をさせてしまうおそれがあるということで、不開示の理由が解消されたとは考えておりません。

○近藤(昭)委員
 ですから、なぜそれが誤解を生むかが分からないんです。そして、開示すると、そこで議論されたこと、それが規制委員会の意見として取られると困る、こういうふうにおっしゃいますが、そんな、発言をしたことが、発言者も多分分かる、分かるか分からないか分かりませんが、結論は出ているわけでありますから。そして、その過程が大事だと思うんですよ。
 そして、今回、物すごく大きな政策変更をされているわけでしょう。それを黒塗りという方がやはりよく分からないし、出た結論とそこの話合いで持たれたことがかなり違うというなら、また、逆に言うと、違うということの方が私はおかしく感じるんですね。そうすると、そういうことを説明するためにも、きちっと開示をすべきだと思うんです。
 それで、ちょっと違う聞き方をしますが、エネルギー規制庁の方もやり取りしているわけでありますが、その資料を公表すべきだと思いますが、エネ庁の方はどうですか。

○松山政府参考人
 お答え申し上げます。
 今御質問いただいておりますやり取りというのは、恐らく、昨年の七月二十七日に総理の下で行われますGX実行会議があったわけでございますが、その後に、そのときに総理からGXを進めていくということに際しまして原子力についても課題をしっかりと整理して検討していけという御指示を頂戴したわけでございまして、当時、エネ庁といたしましても、エネルギー政策というのは非常に多くの省庁の方々と交わるわけでございます、対応していくためにはこれをどう進めていくか、行政職員といたしましては関係省庁とやり取りをしていかなければならない、ですので、その後、速やかに、原子力規制庁を含みます関係省庁への情報提供、その後の進め方というやり取りを進めてきているのは事実でございます。その中で、規制庁との間のやり取りが恐らく原子力規制庁の方から公表されているところかと認識してございます。
 その際の提出した資料につきまして、情報公開への対応を含めて、公表につきましては、情報公開法の考え方を参照しつつ、適切な形で対応していきたいと考えてございます。

○近藤(昭)委員
 それでは、エネルギー庁からも御返答がありましたけれども、法案審議に先立ちまして、政府内における検討内容はやはり明らかにされないといけないと思うんですよ。どういう過程でああした大きな変更がされたのか分からない中で法案審議に入っていくというのは、やはり私は課題があると思います。
 そういう意味で、今も各省庁とのやり取りがあったというようなことをおっしゃっていましたけれども、やはり法案の各省庁間の協議のやり取りは公表すべきだと思いますが、内閣官房、いかがでありましょうか。

○龍崎政府参考人
 お答え申し上げます。  各省協議に関する行政文書につきましては、情報公開法第五条各号に掲げる不開示情報に該当しないかを精査をいたしまして、対応を検討してまいりたいと思います。

○近藤(昭)委員
 済みません、もう一度お願いします。

○龍崎政府参考人
 各省協議に関する行政文書につきましては、情報公開法第五条各号に掲げる不開示情報に該当しないかを精査をいたしまして、対応を検討してまいりたいと思います。

○近藤(昭)委員
 これから対応を協議するということでありますかね。
 私は、申し上げたように、これから法案審議に入っていく、そして、大きな政策変更だと。そして、残念ながら、この後また質問させていただきますけれども、非常に分からない部分が多いということであり、先ほど申し上げましたように、記者会見でも何度もこれは質問されているんですね、記者さんから。
 ただ、そういう中で、記者会見でも、二月三日の記者会見です、黒川総務課長はおっしゃっているわけですよね。先ほど言った意思形成過程であるから非開示だということに関連してくるんですけれども、タイミングによっては当然判断は変わる、こうおっしゃっているんですね、総務課長は。私は、タイミングというのは意思形成過程のことだというふうに思っているわけであります。
 そういう意味で、私は、委員長、是非理事会で、この黒塗りの部分は非常に問題だと思うんです、これから環境委員会も関わってこの法案の審議を、GXの関係の法案は審議していくわけです。ですから、これを是非公開するように、諮っていただきたい。どうでしょうか。

○古賀委員長
 ただいまの件につきましては、理事会で協議させていただきます。

○近藤(昭)委員
 お願いします。
 それで、前回も、十二月の委員会でも質問させていただきました、独立委員会、原子力規制委員会の独立性の問題であります。委員長は非常に重責を担っているということであります。
 そういう中で質問させていただきたいと思いますが、過去の原発再稼働の設置許可なども、規制庁とエネ庁が後ろ側で、水面下といいましょうか、歩調を合わせたと疑われてもやむを得ないのではないかというようなことも出てきている。そうしたことはない、つまり、記録にないとか、そういうお答えがいつもあったり、あるいは黒塗りで出てくるのであります。そうしたことをきちっと、私は、逆に言うと、非常に重い課題についてこれから論議していくわけでありますから、そうしたことはないということをどのように証明されるのか、お伺いをしたいと思います。

○金子政府参考人
 御指摘のありました新規制基準適合性に係る設置変更許可の審査などにつきましては、委員の出席する公開の審査会合の場で行うのが原則でありまして、その上で、公開の原子力規制委員会における議論あるいは審査結果案についてのパブリックコメントなどを経て、原子力規制委員会において設置変更許可処分を判断してございます。
 その過程に、御指摘にありましたような、例えば原子力規制庁と資源エネルギー庁とが裏で歩調を合わせるといったような余地はございませんので、そうした事実もございません。
 これからも、原子力規制委員会は、エネルギー政策の動向などの影響を受けることなく、独立した立場で、科学的、技術的見地から厳格に審査を行ってまいる所存でございます。
○近藤(昭)委員
 そういう余地はないとおっしゃるわけだけれども、非常に疑われる、申し訳ないけれども、そういう状況があるわけですよ。そのことも一部、ある意味では認められているようなところもあるわけです。それは、ブレーンストーミングだったとか、そういう言い方をされるわけだけれども。
 それで、規制庁とエネ庁との接触については、昨年の七月どころか、一昨年の夏時点、一昨年ですよ、当時の片山規制庁次長がエネ庁や与党の議員と束ね法の国会提出について相談をしていたとの情報もあるわけであります。
 これは確認をしたいんです。いつから相談は始まっているんですか。

○金子政府参考人
 具体的な今回の法案についてのやり取りにつきましては、公表させていただいているように、昨年の夏時点でございますけれども、二年半前に出しました原子力規制委員会の見解、運転期間に関するものは、利用の観点から政策側で御議論いただくべき事柄であって、私どもが意見を述べるべき事柄ではないという点についての理解を共有するためのようなやり取りというのは、今、多分御指摘になった片山長官なりの話の中で出てきたものと思います。

○近藤(昭)委員
 それは、ですから、一昨年の夏時点で、片山規制庁次長とのやり取りの中でそうした相談が始まっているということでよろしいんですね。

○金子政府参考人
 具体的な法案の相談ではございませんが、規制委員会が二年半前に決めた見解についての理解の共有という意味では、やり取りが行われたと承知しております。

○近藤(昭)委員
 やり取りがあったということでありますけれども、そこの中でどういうやり取りがあったのかというふうに懸念をするわけでありますが、時間もありませんので、次の質問に移らせていただきますけれども。
 そういう中で、一昨年からも、情報共有という今言い方をされましたが、行われたと。さて、そういう中で、法案の閣議決定が行われるわけです。三月一日の記者会見で山中委員長は、閣議決定を急いだことは問題ではないかと指摘をされて、規制委員会としてはコメントする立場にないと説明をされました。
 しかしながら、閣議決定というのは官邸が決めることではなくて、関係省庁が共同で閣議請議の決裁を行っているはずであります。規制庁内で決裁が起案されて、長官を経て、委員長が決裁を行ったのではないでしょうか。
 決裁の起案日と決裁完了日はいつか、そして、その書類には閣議決定日としてどの日付が記載されていたのか、教えていただきたいと思います。

○金子政府参考人
 お答え申し上げます。
 御指摘の閣議請議の決裁の過程におきまして、原子力規制委員会内での決裁につきましては、長官、あるいは委員長の順に決裁が行われております。
 決裁文書を実際に確認をいたしましたが、決裁を起案したのは今年の二月十日でございます。委員長の決裁を受けた日が二月十三日の夕刻ということで、この日は、原子炉等規制法の改正条文案と閣議決定に向けて必要な手続を進めることについて原子力規制委員会で了承をされた日でございます。

○近藤(昭)委員
 そうすると、閣議予定日としてはどの日付が書いてあったんですか。

○金子政府参考人
 お答え申し上げます。
 今申し上げました原子力規制委員会委員長の決裁日の時点、二月十三日の時点では、閣議予定日は二月二十一日というふうに起案上は記載されておりました。

○近藤(昭)委員
 そうすると、二月二十一日に完了している。ところが、岸田総理の指示で、二月二十一日の閣議決定予定は二月二十八日に延期されたと言われているわけですが、決裁は取り直しているんですか。そうであれば、取り直しているならば、二回目の決裁についても決裁の起案日、決裁完了日、閣議予定日を教えていただきたいと思います。

○金子政府参考人
 お答え申し上げます。
 先ほど御説明させていただいた原子力規制委員会内での決裁以降は、環境本省での決裁プロセスが継続して行われております。
 その環境本省の決裁の途中で、閣議決定予定日が変更されるという連絡が情報としてございました。規制委員会におきましては、閣議予定日がいつであるかにかかわらず、閣議決定に向けた手続を進めることについては既に了承をいただいておりましたので、再度の意思決定や決裁を行うという必要はなく、二回目の決裁については行ってございません。  また、その後、その後といいますのは、先ほどの閣議予定日が変更になった旨については、決裁をいただいた委員長には報告をさせていただいております。

近藤(昭)委員
 分かりました。変更になっているけれども、決裁をしているからそれでいいということでありますが。
 ただ、そうすると、山中規制委員長は決裁をしているわけですよ、委員長は。しかし、なぜ記者会見で、規制委員会としてはコメントする立場にない、こういうふうに説明されるんでしょうか。

○山中政府特別補佐人
 お答えいたします。
 原子力規制委員会として、今回の原子炉等規制法の改正法案について、二月十三日に開催いたしました公開の原子力規制委員会で、その条文案及び閣議決定に向けた必要な手続を進めることについて既に了承しておりました。そのため、閣議請議を行うための稟議に対して決裁を行いました。
 ただ、この改正法案は、内閣官房が取りまとめた脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案の一部であり、原子力規制委員会が主体的に閣議決定日の調整を行う立場にはございません。
 記者会見では、そうした趣旨から申し上げたものであり、問題があると考えてはおりません。

○近藤(昭)委員
 問題ないと規制委員長はおっしゃるわけでありますが、先ほど来から、別の言い方をすると、だから関わることではないとおっしゃるのかもしれないけれども。
 繰り返しますけれども、重要な政策、原子力に対する政策変更がされているわけですよ。規制委員長は非常に独立性が高いわけでありますよ。そういう中で、記者会見で求められたコメントも、この重要な変更に対してどういうふうに思うのかということだったと思うんですね。なぜそのことをお答えにならないのか、私は本当に違和感を覚えます。
 そして、少し、もう時間もなくなってまいりましたので、最後にお聞きしたいと思います。
 最近、内部告発のことがいろいろと政策決定のことでも出てきていますよ。そういう中で、先ほど、原子力規制庁とエネ庁がいろいろとやったのではないか、これは、実は記者会見の中でも問われています。情報公開の対象が、電話とかメールとか、それはどういうものなのかというようなことの質問と、もう一つは、そうした情報公開を避けるために、最近は駅で資料を渡し合っている、つまり、資料が残らないように、情報公開で対象にならないようにそういうことをしているのではないかということを指摘されていますが、これに対してはいかがでありましょうか。

○金子政府参考人
 お答え申し上げます。
 御指摘のような事例が取り沙汰されていることについて承知しておりますので、私どもは関係の職員に聞き取り調査を行いました。
 まず、駅でやり取りを、いわゆる話合いをするようなやり取りをしたという事実はないということを確認しております。
 一方で、恐らく御指摘の点は、駅で資料が受渡しがあったのではないかという点ではないかと思います。よく聞いてみますと、前に出てまいりました七回の面談のうちのエネ庁から受け取った資料について、電話を受けた際にメモ書きをしてしまった職員がおりまして、きれいなコピーをもう一度もらいたいということで取りに行くということで、それを、わざわざオフィスに来るのも大変だろうからということで駅で渡していただいたということが一回あるということは確認をしております。
 そのような内容ですので、それ自身が面談のような形で行われたものではないというふうに承知しております。

○近藤(昭)委員
 質問時間が終わりましたのであれですけれども、ちょっとにわかには信じ難いというか、申し訳ないけれども。大事なものをやり取りしたかどうかというのは分からないわけですよ。ただ、御説明は、そういう資料を受け取ったことは認めているわけですよね。だけれども、そこにメモ書きがあったから新しいものに替えたというわけでありますが、これは非常に私は懸念をする問題であります。引き続き追及をさせていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

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