私たちが発表した経済対策では、これまでの政府の対策は業界大手への補助金が中心で、家計は負担軽減を実感できていないと指摘し、家計への直接支援に重点を置くべきとしています。10月22日に行われた二つの補欠選挙、残念ながら、長崎4区では勝利を得られなかったものの、かなりの接戦になりました。そして、高知・徳島県選挙区では、広田はじめ候補が圧倒的勝利を納めました。物価高をはじめ、子育て、教育、年金、医療、介護など普通に暮らしていくことに大きな負担を負わなければならない現状に目を向けない岸田政権に、多くの国民がNOを突きつけています。
緊急経済対策だけでなく、「教育」「子育て」「医療」「年金」ほか、生活を支える施策と予算の拡充が重要です。偽装減税よりも恒久的な安心を提供する仕組みをつくり、ここまで広がってしまった「格差」を是正し、いざという時にも頼れる「政治」を実現しなければなりません。
なお、ロシアによるウクライナ侵攻の出口がみえない中、パレスチナでもひどい武力衝突が起き、これまでにない犠牲者が出ています。全国各地で多くの市民の停戦に向けての活動が活発化していますが、私も仲間の議員と国会内で集会を開き、一刻も早い停戦のため、日本政府が国際社会の中でリーダーシップを発揮すべしと要請をしました。東西冷戦が終結したにも関わらず、対立構造が厳しくなっています。しっかりと平和に向けての活動に力をいれていきます。この国会も頑張ります!
敬具
2023年11月1日
ミャンマー 国境の町から難民報告
8月27日~31日、タイを訪問。バンコクから車で7時間ほどのミャンマーとの国境に近いメーソットという町。私も副会長であるミャンマーの民主化を支援する超党派の議連は、同国の軍事クーデターを憂慮しており、ODA等を通して軍に対して影響力を持つ日本政府がきちんと行動すべきだと要請してきました。
かつてILO(国際労働機関)で働いていた石橋通宏参院議員と一緒に、ミャンマーの人たちが避難している地域に入りました。
現地では、避難してくる人たちや、ミャンマー側のIDP(国内避難民)キャンプへの支援を続けている国際NGOの皆さん、タイ側にコミュニティをつくり、避難してくる同胞たちを支援する人たちと意見交換しました。
避難している人たちは、たくましく生きていますが、厳しい生活環境であるだけでなく、子どもたちの学習環境は、かなり制限があります。日々の食料、医療、子どもたちの教育、将来に向けての職業訓練など。厳しい中でも、ひたむきに頑張る人たち、夢をもって勉強に励む子どもたちの姿に心を打たれました。
子どもたちの未来を守り、一人ひとりの尊厳を守り、一日も早くミャンマーに平和が訪れ、民主主義が確立されることを望み、そのために頑張りたいと思います。
イスラエル・パレスチナ 即時停戦と人道支援を
第二次世界大戦終了から76年を経た現在も、朝鮮半島は南北に分断され、深刻な核の脅威が存在すると同時に、新たな冷戦の象徴になりつつあります。
そうした緊張を緩和するために、北東アジア非核兵器地帯設立をめざす活動をしていますが、9月26日~30日、ワシントンを訪問しました。原口一博、阿部知子、櫛渕万里、私の4名の衆院議員と犬塚直史元参院議員(事務局長)です。
ワシントンの連邦議会議事堂の中で開いた会議では、冒頭で民主党のエド・マーキー上院議員に発言いただき、その後、クリントン政権時代に大統領特別顧問、国家安全保障会議メンバー、国務省政策企画本部長(1998-2001年)などを歴任したモートン・ハルペリン氏に基調講演をお願いしました。その後、参加者が意見交換を行いました。
私たちが目指す北東アジア非核兵器地帯設立3+3国際市民連合設立宣言とは、日本・韓国(大韓民国)・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の3カ国が、非核兵器地帯を形成し、ここに米国・中国・ロシアの3つの核兵器国が、核攻撃、核の威圧をしないことを法的に合意する国際条約を作ろうというものです。会議の後には、いくつかの市民団体代表とも意見交換を行いました。
非核兵器地帯の枠組み自体は、1975年に国連総会で定義されており、現在では、ラテンアメリカ・西インド諸島におけるトラテロルコ条約やアフリカ大陸におけるペリンダバ条約などに加盟する116の国々を、「核の傘」という恐怖の均衡ではなく、「非核の傘」という国際法に基づく信頼関係で守っています。
軍事力の勢力均衡に偏重し、信頼醸成を軽視する平和は脆弱です。非核地帯を拡大し、最終的には、核のない世界の実現を目指します。なお27日には、民主党のマーク・タカノ下院議員(カリフォルニア州41区)らとも意見交換を持ちました。
全ての人に学ぶ機会を 夜間中学校の必要性
「義務教育機会確保法」という法律。前川喜平さんが文部科学次官であった時に成立した法案で、重要な意味を持っています。様々な事情で義務教育を受けていない方、あるいは、受けてはいるけれど、あらためて学びたいという皆さんがいます。そうした皆さんの学ぶ機会を守ろうと、同法成立後、夜間中学増設の動きが活性化しましたが、まだまだ不十分であり、さらなる充実に向けてと、10月11日、国会内で、夜間中学等義務教育拡充議連と全国夜間中学校研究会の共催で集会が行われました。名古屋市でも再来年度設立が計画されています。引き続き努力していきます。
ノーモア・ミナマタ 全ての被害者の救済を
10月4日、ノーモア・ミナマタ被害者・弁護団全国連絡会議による近畿訴訟判決報告集会と環境省交渉に出席。水俣病と認定されず、特別措置法の救済対象にもならなかった120人余りが、国と熊本県、原因企業に賠償を求めた裁判で、9月27日、大阪地裁は、原告全員を水俣病と認定し、国などに対して賠償を命じる画期的な判決を出しました。
この判決を受けて、解決にむけた具体的な方針(救済のあり方)を全国連から伺い、参加した国会議員が速やかに全ての被害者が救済されるよう努力することを約束しました。
残念ながら、10月10日、政府は控訴の手続きを行いましたが、引き続き頑張ってまいります。
冤罪のない社会 再審での証拠開示義務化を
10月4日、名張事件再審開始を勝ち取る集会に参加。名張毒ぶどう酒事件は1961年3月28日に発生し、当時35歳で逮捕され、1969年に死刑を宣告された奥西勝さんは無実を叫び続け、2015年10月、道半ばで帰らぬ人となりました(享年89歳)。
会では、いくつもの冤罪・再審請求を求める関係者が発言し、57年かけてやっと再審を勝ち取り、10月27日に再審裁判が始まった「袴田事件」のお姉さんの袴田秀子さんからはビデオメッセージが紹介されました。
袴田事件はじめ多くの事件で、再審請求審が長期化し悲劇を生んできた日本の検察の歴史。再審における証拠開示制度の確立、検察官の上訴制限が、冤罪救済のための喫緊の課題です。
あしなが育英会 全額給付奨学金で学ぶ機会を
病気や災害などで親を亡くした子どもたちを支援する「あしなが育英会」(東京・千代田区)は、遺児家庭を囲む経済環境が厳しさを深める中、奨学金を一部貸与から全額給付に制度を変更しました。国の施策が進まない中、大変重要な変更です。しかし、一方で、申請者が激増し、財団の財政状況が厳しさをまし、10月21日から4週連続全国で、大学奨学生やボランティアの生徒ら2000人が週末の街頭で募金活動を展開しました。引き続き、銀行振込などの寄付を募っておられます。応援をよろしくお願いします。
「あしなが育英会」のホームページ
障がいとともに生きる 第25回立憲カフェ
25回目となる立憲カフェを10月7日に開催。テーマは、ともに生きる~名古屋城エレベーター問題から見えてくるもの~とし、前名古屋市議の斎藤まことさんと社会福祉法人で役員を務める三田明外さんにお話しいただきました。
人権意識、排他主義、格差社会など、相手を思いやる気持ちが薄れてきた現代社会について指摘されました。誰もが当事者であり、当事者になりうる中で(生まれた時、事故あるいは病気で、そして年老いて)生活しています。障がいのある人にとって優しい社会は、全ての人にとって優しい社会です。
名古屋城天守のエレベーター設置問題について、公費でつくるならば、誰もが自由に見られるべきと考えます。学術的に完全に再現するならば、照明、エアコンなどの電気設備もつけずに、研究者など限られたメンバーに、限られた時間だけに見せるということでしょう。公費を使って観光目的(公開する)でつくるのですから、誰もが登れるようにすべきだと考えます。その点、熊本城の再建は大いに参考になるでしょう。
より温かい社会をつくって行くため、みんなが共同して努力していかなければと思います。
近藤議員の国会内外での主な活動報告(9月~10月)