ところで、8月24日、東電福島第一原発事故後の汚染水を処理し海洋放出する作業が始まりました。国際環境団体FoE Japanが主催したヒアリングでは、海洋放出の費用等が 年当時に算出された数値を大幅に上回り、当初17~34億円、期間は52~88ヶ月とされていたものが、1200億円以上すなわち35倍以上となることが明らかにされました。今あるタンク分だけで30年、今後、廃炉作業が完了するまで更に何年要するのかは未だ不透明です。何より、この放出する水は、核燃料が溶け落ちたデブリを通過した水であり、通常の原発処理水とは異なります。海洋放出という手段は取るべきではなく、あくまでも他の方策 かつて経産省内でも検討された「モルタル固化」等の代替案 を追求すべきです。拡散ではなく、閉じ込めることこそ、放射性物質処理の原則です。今後の風評被害対策費用は政府、賠償は東電が負担することになるのですが、それらは税による国民負担と電力料金に跳ね返ってくるわけです。先の通常国会で、岸田政権は原発推進に改めて舵を切りました。全く反省なき政策変更です。
なお、8月27日投開票の行われた長久手市長選挙で、佐藤ゆみさんが当選しました。愛知県初の女性首長です。私も、出発式で応援のマイクを握らせていただきました。地元の大島れい子市議や、「女性議会ネット」の白井えりこ日進市議始め多くの女性議員や、市民の皆さんの手弁当での選挙の成果だと思います。ご本人が「スタートラインに立てた」と言うように、一つの壁を破ったと思います。長久手市を良くし、あらゆるところにいい刺激をもたらしてくれると思います。
敬具
2023年9月4日
二度と戦争をしてはならない 改めて平和を誓う8月
8月は、広島に原爆が投下された6日、長崎に原爆が投下された9日、ポツダム宣言受諾と日本の降伏が国民に公表された15日と、戦争に関わる重要な日が重なります。
●8月26日、4年ぶりに「平和を考える映画会」を開催しました。作品は、「ペーパーシティ」、東京の4分の1が焼失した大空襲から生還した3名の生存者が、自らの戦争体験を語ります。国会には空襲被害者について立法措置による解決を考える議員連盟(超党派空襲議連)があります。民間被害者は国との雇用関係がなかったということで救済されていませんが、空襲による火災の消火作業などに国が動員し、多くの人が命を失い、人生を翻弄されました。この映画には、名古屋在住で2016年に101才で亡くなられた元全傷連会長杉山千佐子さんととに、空襲議連で副会長を務める私も登場しています。
●8月6日、広島市で開かれた平和記念式典、松井一実市長は平和宣言で、政府に対し、核保有国と非保有国の橋渡し役を果たすよう求め、一刻も早く核兵器禁止条約の締約国となること、今年11月の第2回締約国会議にオブザーバー参加することを求めました。
8月9日、長崎市での平和祈念式典は台風接近にともない規模を縮小して行われました。鈴木史朗市長にとって、就任後初の平和宣言でしたが、5月に開かれた先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の核軍縮文書「広島ビジョン」を批判し「核抑止への依存からの脱却を勇気を持って決断すべきだ」と訴え、核兵器廃絶の決意と「長崎を最後の被爆地に」という強いメッセージを国内外に発信しました。
●本年5月の広島サミット、唯一の戦争被爆国で開催されたにも関わらず、まとめられた「広島ビジョン」は、「核の抑止力」を前提とし、核兵器禁止条約には全く触れず、被爆者の皆さんの失望をかいました。原爆資料館で何を見学し、各国首脳がどんな感想を持ったのか、(記帳した際に添えた言葉は公開されましたが)、被爆者とどのような対話をしたのかも、公表されませんでした。二人の市長は、せっかく広島でサミットが行われ、「広島ビジョン」が発表されたにも関わらず、それが核抑止を前提としていることの問題点をともに指摘したのです。
●8月15日、私は恒例の千鳥ヶ淵戦没者墓苑での「平和を誓う8.15集会」に参加しました。二度と戦争を起こしてはならない。党を代表して、泉代表の談話を代読しましたが、戦争の悲惨さを忘れてはならない。きちんと伝えていかなければならないと誓いました。ところで、8月11日、2022年度高校生平和大使のお一人から手紙をもらいました。京都に住む友人の娘さんです。昨年度の国連訪問はコロナのために中止になったが、今回2023年度のメンバーの翻訳補助の役割で訪問することになったという内容でした。頑張ってきてほしいです。「高校生平和大使」は1998年、インドとパキスタンが実施した核実験をきっかけに長崎で誕生し、核兵器廃絶を求める署名簿を、ニューヨークの国連本部に届けたのが始まりです。以来25年、高校生平和大使の訪問先は2000年から国連の欧州本部に変わり、署名は同本部に保管されています。「微力だけど無力ではない」を合言葉に、集めた署名は250万筆を超えました。長年の活動が評価され、2018年から毎年ノーベル平和賞候補に推薦されています。その推薦には、私も関わっています。
●ロシアがウクライナに侵攻し、「核兵器が使われる」危機感がこれまでになく高まっています。
絶対に「核」を使用しないためには、「核兵器」をなくすしかありません。そのために、戦争の記憶は風化させてはいけない、記録はきちんと伝えていかなければなりません。また、向き合っていかなければなりません。100年前の関東大震災の際に起こった朝鮮人、中国人、社会主義者、障がい者の人たちが殺害された歴史の事実にも政府は向き合っていないのです。国家主義に対する警戒を忘れてはなりません。全ての世代の皆さんと連帯して頑張ってまいります。
国会閉会中も重要案件をヒアリング・議論
6月21日に通常国会が閉会してからも、立憲民主党ではオンラインも含め、ヒアリングや議論を行っています。 「旧統一教会」関連では、「被害者対策本部」と「国会対策本部」において、被害者の方や支援する弁護士さんからのヒアリングや省庁との意見交換を行っており、7月11日の会合でも、鈴木エイトさんから旧統一教会に関する最新の状況をお聞きしました。被害者救済新法は出来ましたが、状況は改善されていません。それどころか、旧統一教会被害に関する報道は大幅に減り、被害の凄惨さ、政治家との癒着、解散命令請求の可否、など課題は残ったままです。 「マイナ保険証」国対ヒアリングは、閉会後、8月末までに9回のヒアリングが開催されました。8月25日に開催されたヒアリングでは、マイナ保険証で、約77万人のデータのひもづけがされずに利用できない状態になっていることが明らかになったにもかかわらず、政府は来秋に健康保険証を廃止する方針を変更せず、「資格確認書」を発行するとしています。マイナ保険証を持たない人も安心の医療が受けられるよう、今の健康保険証を守らなければなりません。この他、「マイナ保険証」については、「在り方検討PT」を立ち上げるなど、真に国民の皆さんの安心に繋がる制度を確立するため頑張っています。
子どもたちのアジア連合キャンプin青森
第21回「KID'S AU=子どもたちのアジア連合 子ども交流・野外キャンプ」に二日間参加しました。
第1回から関わっていますが、「大人は争いばかりしている。未来に向けて平和の種を蒔こう!」と、ロシア、中国、モンゴル、韓国、北朝鮮、日本の6カ国の子どもを招き、野外活動する交流を始めました。言葉が通じなくとも、子どもたちは、見事に仲間となっていきます。
コロナによる中断もありますが、2001年から数えて、2,000人以上の子どもたちが参加しています。子どもたちの自主性を大切にしながら、全員が交流できるようにしています。今回は、青森山田学園の全面的なご協力のもと、愛知商工連盟協同組合等いくつかの企業・団体が支援してくださいました。また、この間の食事について提供してくださったのは地元のボランティアさんでした。無農薬、有機栽培で、食の安全を守るために活動しておられます。素晴らしくおいしかったです。
なお、6カ国といっても、北朝鮮からの子どもの参加は実現していませんし、今年は、諸事情で、モンゴル、韓国、日本の3カ国の子どものみになってしまいました。そして、今回、異常な暑さにみまわれましたが、通常あり得ない暑さのため、施設にはエアコンがありません。関係者が急遽扇風機をかき集めてくださいましたが、気候変動の影響を厳しく受ける暑さでした。これらは、大人たちの責任によるものです。真に豊かで平和な社会にしていきたいです。
メーソットでミャンマー避難民支援を視察
8月27日からタイを訪問しました。バンコクから車で7時間ほどのミャンマーとの国境に近いメーソットという町でした。国会でミャンマーの民主化を支援する超党派の議連に所属していますが、私たちは、当然、軍事クーデターに反対しており、ODA等を通して軍に対して影響力を持つ日本政府が、なぜ、きちんと行動しないのかと要求してきました。今回は、かつてILO(国際労働機関)で働いていた石橋みちひろ参院議員(議連事務局長)と一緒に、国境近くに避難しているミャンマーの人たちの状況視察に入りました。現地では、ミャンマーから避難してくる人たちへの支援や、ミャンマー側のIDP(国内避難民)キャンプへの国境越えの支援を懸命に続けている国際の皆さんたち、タイ側にコミュニティをつくり避難してくる人たちを支援する同胞の皆さんたちに、視察のサポートをしていただきました。特に、避難民への医療支援をしているメータオ・クリニックの日本人医師の有髙さんには、格別お世話になりました。皆さんは、たくましく生きているとはいえ、厳しい生活環境であるだけでなく、子どもたちの学習環境は、かなり制限があります。今回、そうした状況下で活動する皆さんをどう支えていくのかを確認するというのが役割でした。子どもたちの未来を守り、一人ひとりの尊厳を守り、一日も早くミャンマーに平和が訪れ、民主化が進むことを望み、そのために頑張りたいと思います。
近藤議員の国会内外での主な活動報告(7月~8月)