立憲民主党第三区総支部には、自治体議員として二人の県議会議員と三人の名古屋市会議員が所属し、総支部長は近藤昭一衆議院議員が務めています。本号では、近藤昭一議員の考えと政策の一端を紹介します。
近藤昭一の『基本理念』 誰もが安心して暮らせる社会を目指して
私にとって政治家の仕事とは「命を守ること」です。国を戦争に引き込まないこと、社会に絶望して命を断たさせないこと、環境破壊や汚染、被曝で命を落とさせないことはその第一歩です。人は誰でも変化しています。生まれた時は親の助けが必要であり、老いて体が不自由になれば社会のサポートが必要です。
そして、生きている限り不測の事故もあります。それらを共に支えあうために「税金」があり、配分システムとしての「国会」があります。間違った「自己責任」により、助けを求められず、その人生を過酷にしている人もいます。真っ当な国家は、人々が生きていくための「公助」がベースにあり、その安心感の上に人々が助け合う「共助」があり、そして、誰もが自分の能力を発揮しながら生きられる「自助」があるのです。経済はそのとき回り始めるのです。その意味でも自民党政治は逆流して途方もない悪循環に陥っていると言えるでしょう。失業しても、コロナに感染しても、一人一人の安全と安心が守られ、たとえ家族の形が変わろうとも、学び続けられ夢を追い求めることができる社会、子どもたちがお腹をすかさずに生きられる社会を作ることです。
近藤昭一プロフィール
近藤 昭一(こんどう しょういち)1958年、名古屋生まれ。笈瀬中学、千種高校、上智大学法学部卒。中日新聞社を経て、1996年、第41回総選挙にて衆議院議員初当選。 以来、9期連続当選。
[経歴]衆議院環境委員会筆頭理事、外務委員会筆頭理事、東日本大震災復興特別委員会筆頭理事、総務委員長、青少年問題特別委員長、環境副大臣、立憲民主党副代表、選挙対策委員長等を歴任。
[現職]立憲フォーラム代表、原発ゼロ・再エネ100の会共同代表、交運労協政策推進議員懇談会会長、沖縄等米軍基地問題議員懇談会会長、立憲民主党ネクスト環境大臣、衆議院環境委員会委員、憲法審査会委員、裁判官訴追委員会委員等。
貧富の差が拡大し、固定化している今の社会で、政治の役割は「弱者救済」であり「公平」な社会を作ることです。助けを求められない人たちの声に耳を傾け、自らの力で社会参画ができるよう環境を整えることです。そのために政治があります。政治家はその道づくりが使命です。
新型コロナ関連
2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症も5類に移行し、季節性インフルエンザと同じ扱いになりました。
6月14日、立憲民主党は、「コロナ後遺症対策推進法案」、「コロナワクチン健康被害救済法案」を衆議院に提出しました。コロナウィルス対策本部を中心に、引き続きしっかりと対策に取り組んでいます。
また、人出は戻りつつあっても人手は戻っていない中、感染症の影響を受けた個人や企業に対して速やかに支援を提供する仕組みの充実と構築、さらに、自民党政権が軽んじてきた「公衆衛生体制」と「医療体制」の充実(保健所の再強化、医師、看護師等の 増員、感染症病床の増床等)を図ります。
マイナンバーカードの問題点
マイナカードの普及を急ぐがあまり、システムの不具合、入力ミスのトラブルが続出しています。本来、国民の生活の利便性を図るのが目的であるにもかかわらず、政府の都合で進めているからに他なりません。今こそ、一度立ち止まって考えるべきです。
1 暮らしを立て直し、豊かな生活を
いま必要なのは、普通に働けば人間らしい生活ができる社会にすること。4割に上る非正規労働、増えるばかりの長時間労働。この間、自民党政権は消費税をあげる一方で、高額所得者の所得税や大企業の法人税を引き下げ、株式譲渡益等の金融所得課税強化を見送り、普通に働く人たちの負担ばかりが増えてきました。内部留保のある企業は積極的に、働く人の賃金を上げなければならない(中小企業には、国が社会保険料の一部支援等を実施する)。経済の循環はその結果です。
2 子どもファースト、社会全体で子どもの育ちを応援
世界第3位の経済大国であるのに、子どもを取り巻く環境が貧困すぎる。ひとり親世帯では、こども3人に1人が衣服や食事に困難をきわめ(日本全体で、子どもたちの7人に1人が「貧困」。ひとり親家庭では、2人に1人に及ぶ)、食事さえままならない子どもが私たちの目の前にいるのです。「親ガチャ」で失敗とは、まさに、日本の政治が子育てや教育に予算配分をしてこなかった結果です。
子どもたちを守り、誰もが平等に学べるようにすることは、政治の役割です。学べる環境を作るために、学費の補助や、返済しなくてもいい真の給付型奨学金制度をつくります。自治体とも協力して、子どもたちや若者を守るだけでなく、子どもたちの居場所づくりのためにも、サポートする保育士、教師、カウンセラーなどの人材を確保し実を上げていきます。
3 一人ひとりの人権が尊重され、多様性のある社会を
社会がこれほど、「公平」を求めているのに格差が放置され、「男女共同参画社会基本法」「障がい者差別解消法」は制定したものの、罰則が設けられず、排除や差別は野放しです。ヘイトスピーチについても、解消に向けた取組を推進するという基本理念に留まり、選択的夫婦別姓などは、(2022年の連合調査によれば64%が容認しているのに)未だに実現していません。私たちは、社会が障害となっている方、DVの被害者、LGBTなどの当事者を、積極的に選挙に擁立し、決定権のある場所で共生の社会づくりを目指してきました。社会の多様性を決定権のある場所でも実現したい。人は誰でも老いていき、不自由になります。少数者の不利益に目を向ける施策は、すべての人にとって安心して生きられる社会づくりであり、憲法で保障された「個人の尊厳を守る」ために、具体的な法律をきちんとつくっていきます。
2023年通常国会で強行された入管法改悪とLGBT法案について
杜撰な難民審査で、「日本に難民はいない」と言った政府の主張は崩れたにも関わらず、また、スリランカ人のウィシュマさんがきちんと診療を受けられなかったことに対する反省からの改善が実は行われていなかったことが判明したにも関わらず、政府与党が強行し、一部野党が賛成に回り、難民申請中でも強制送還される内容に入管法が改定されました。また、かつての与野党合意した内容よりも後退し、当事者も反対したLGBT法案も一部野党が賛成し、成立しました。大問題です。
4 環境立国として世界の先導役を担う
カネのために環境を破壊する経済にNo
温暖化を止め緑あふれる社会にYes
「私たちが自然を守っているのではなく、自然によって私たちが守られている」(ネイティブアメリカンの言葉)。私も人間は自然の一部だと思っています。
経済発展は環境破壊ではなく、環境を守りながら社会を豊かにする道はいくらでもあります。
例えば、再生可能エネルギーの普及が雇用を生み、環境技術で経済を牽引していくことは日本の得意分野のひとつでした。にもかかわらず、その強みを伸ばさず、温暖化ガスを多量に排出する石炭火力発電所の廃止も宣言せず、事故が起きれば、人類に計り知れない影響をもたらす原子力発電の推進に岸田政権は再び舵を切った。使用済み核燃料の処理方法さえ確定していない。環境を大切にする日本をとりもどし、持続可能な社会を次世代に渡します。
林野庁所管群馬県内の森林視察
2023年5月
5 武力で平和はつくれない 平和外交と憲法
憎しみと不信を煽る政治にNo
暴力のない平和な社会をつくり、理解と信頼を重ねる政治にYes
始まった戦争を無傷のまま終わらせることはできない。政府は、危機をあおり、この地域の安全保障関係の緊張度を理由に防衛費を増やすと言う。しかし、こちらが増やせば、あちらも増やすのが安全保障のジレンマ。日本がはじめた戦争の終わりは原爆投下だった。
わたしたちは、あの戦争への深い悲しみと苦しみ、反省から、9条を持つ平和憲法を制定しました。9条は、国連憲章の前文にもうたわれている「全ての戦争は禁止である」という基本精神の下、自衛のための実力行使のみを容認。しかし、現政権は、自衛隊が米軍とともに戦う準備にばかり力を入れ、5年間で防衛費を従来の1.5倍の43兆円に増額することを決めました。平和外交を推進し、相手が不安を解消する関係をつくることこそが大切であり、そのためのリーダーシップを日本は発揮すべきです。
Socdem Asia国際会議(マレーシア)
2022年8月
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